Q1:なぜ右足ではなく「左足だけ」に血栓ができやすいのですか?
A1:人間の解剖学的構造上、左足の静脈(左総腸骨静脈)は心臓へ戻る途中で、右足へ向かう太い動脈(右総腸骨動脈)と腰椎(背骨)に挟まれる構造になっています。この交差部で血管が慢性的に圧迫され血流が鬱滞しやすい「メイ・ターナー症候群」という病態が存在するため、右足と比べて左足の方が物理的に血栓を生じやすい特徴を持っています。
Q2:市販の着圧ソックスを履けば改善しますか?
A2:自己判断での着用は非常に危険です。慢性的な静脈不全やリンパ浮腫には医療用弾性ストッキングが有効ですが、現在進行形で深部静脈血栓症を発症している場合、圧迫によって血栓が遊離し、肺塞栓症を誘発するリスクがあります。また、下肢動脈硬化症などを併発している場合は血流を遮断して壊死を招く恐れもあるため、必ず医師の診断を受けてから使用してください。
Q3:痛みが全くないのに左足だけむくんでいる場合も受診が必要ですか?
A3:受診が必要です。初期のリンパ浮腫や、潜在的な下肢静脈瘤、骨盤内の腫瘍による血管圧迫などは、痛みを伴わずに片足のむくみだけが進行するケースが多々あります。「痛くないから安全」というわけではなく、むしろ無痛のまま病態が進行して皮膚の線維化や血管障害が慢性化する恐れがあるため、早期の精査が推奨されます。