展示を巡る中で強く意識させられるのが、半世紀にわたり盟友であり最大のライバルであり続けた宮崎駿監督との関係性です。高畑氏の類まれな演出プランを天才的な作画力で具現化した若き日の宮崎氏。二人の出会いと共同作業がなければ、今日のスタジオジブリは存在し得ませんでした。
会場に並ぶ『ハイジ』の全話レイアウトを担当した宮崎氏の緻密な画面構成画や、互いの企画書に寄せられたコメントからは、深い信頼と同時に激しいクリエイティブの火花が感じ取れます。高畑氏の妥協を許さないリアリズムと徹底的なリサーチ要求は、作画スタッフや宮崎氏を極限まで追い詰めた一方で、アニメーションの表現力を前人未到の高みへと引き上げる原動力となりました。
「パクさん」の愛称で親しまれた高畑氏に対し、宮崎氏が寄せた追悼の言葉や当時のエピソードも紹介されており、二人の巨匠が織りなした奇跡的な共闘の歴史は、多くのファンの胸を熱くさせています。