慶事での二万円が市民権を得る一方で、不祝儀(お通夜・告別式での香典)における二万円には、全く異なる配慮とリスクが存在します。ネット上では「香典も偶数は避けるべき」という漠然とした意見が散見されますが、現場の僧侶や葬祭ディレクターが指摘する論点は別のところにあります。
香典において二万円という金額を設定すること自体は、知人関係や職場の同僚への香典として決して珍しい額ではありません。しかし、不祝儀における偶数は「重なる=不幸が重なる、再び不幸が訪れる」という連想を生むため、古くから強いタブー視が存在しました。そのため、現在でも仏事においては奇数の1万円、3万円、5万円を選択するのが極めて無難です。
どうしても二万円を包む必要がある場合、新札を使ってはならないという基本マナー(あらかじめ不幸を予期していたと受け取られないよう、手持ちの流通紙幣を使う、もしくは新札なら一度軽く折り目を付ける)を厳守した上で、中袋には「金 弐萬圓」と端正に記します。また、香典では「お札を奇数枚にするために千円札を混ぜる」といった慶事のような細工は「不自然で場にそぐわない」とされる傾向が強いため、素直に1万円札2枚を納めるのが通例です。