発熱や倦怠感といった風邪症状がないにもかかわらず、咳き込んだ際に血の味がする場合、外的な刺激や環境要因が関係しているケースが目立ちます。
激しいランニングや高強度のトレーニングを行った後に血の味を感じるのは、決して珍しい現象ではありません。激しい運動中は口呼吸が中心となり、冷たく乾いた空気がダイレクトに気道へ入り込むため、気道粘膜の乾燥と微小な毛細血管の破綻が起こります。また、心拍数が急上昇して肺の毛細血管圧が高まることで、ごくわずかな赤血球が肺胞内へ浸出する「運動誘発性肺毛細血管ストレス」が生じることも確認されています。この場合は安静にして水分を補給すれば短時間で治まります。
一方、運動をしていない平時で「熱はないのに咳と血の味が続く」という場合は、アレルギー性の気道過敏症や、冬場の極度な空気の乾燥、後述する慢性的な気道炎症が潜んでいる可能性があります。熱がないからといって軽視せず、症状の頻度や持続期間に目を向ける必要があります。