あるでん亭を語る上で欠かせない歴史的一幕が、伝説のF1ワールドチャンピオン、アイルトン・セナとの深い関わりです。1980年代後半から1990年代初頭のF1日本グランプリ来日時に、セナが新宿センタービル店にお忍びで訪れ、その味に惚れ込んだというエピソードはモータースポーツファンの間でも語り草となっています。
当時、世界最高峰の舞台で極限のプレッシャーと戦っていたセナは、食事に対しても並外れたこだわりを持っていました。本場イタリアの味を知り尽くした彼が、日本のオフィスビルの地下にある小さなパスタ店に通い詰めたという事実は、あるでん亭の技術がいかに本物であったかを雄弁に物語っています。
セナが好んで注文したとされるのが、先述した「アリオ オリオ エ ベーコン」や「ロレンツァ」でした。レースに必要なエネルギーを炭水化物から素早く摂取しつつ、妥協のない味を求めたセナにとって、あるでん亭の歯ごたえあるスパゲッティはまさに至高のチャージフードだったと言えます。店内には今も当時の思い出を物語るサインや写真が大切に掲げられており、巡礼に訪れるファンの胸を熱くさせています。