「茶しばく」というフレーズが全国区に広がった契機は、昭和末期から1990年代(平成初期)にかけての若者文化です。当時、大阪の心斎橋やミナミの繁華街において、男性が街頭で女性に声をかける際の定番の誘い文句として「自分、お茶しばかへん?」というフレーズが多用されました。これがテレビ番組やお笑い芸人のトークを通じて全国に拡散し、「関西のコテコテなナンパ言葉」としてのパブリックイメージが形成されます。
2000年代以降、繁華街での強引な声かけが敬遠されるにつれ、日常会話で本気で「茶しばかへん?」と誘う光景は激減し、メディアでも「昭和・平成レトロな死語」として扱われることが増えました。しかし、完全に消滅したわけではありません。
近年では、SNSやライブ配信、VTuberカルチャー、推し活などのコミュニティにおいて、「ちょっとスタバ行かない?」「配信終わりに軽くお茶しよう」という文脈を、あえてコミカルに言い換える「プロレス的表現(ネタとしての使用)」として再評価されています。本気で威圧的に使うのではなく、言葉の古さや粗野さをあらかじめ共有した上での「ボケ」として機能しているのが現代の特徴です。