玉手山遊園地を語る上で絶対に外せないのが、地形の急勾配を最大限に利用した名物アトラクション「ローラーコースター」です。一般的なフラットな土地に組まれた鉄骨コースターとは異なり、山の斜面に沿うようにレールが敷設されていたため、木々の間をすり抜けながら視界が一気に開ける独特のスリルと浮遊感がありました。
当時の乗車体験について、訪れた地元住民の手記や回想録には「最新鋭の絶叫マシンとは一味違う、ガタガタと軋む音と自然の迫り来るリアルなスリルが忘れられない」と記されています。
ほかにも、山頂からの雄大な展望を楽しめた回転展望台、ノスタルジックなメリーゴーラウンド、子どもたちが行列を作ったバッテリーカーや豆汽車など、素朴でありながら温もりのある遊具が園内随所に配置されていました。派手なデジタル演出のない時代だからこそ、家族や友人と顔を見合わせて笑い合える昭和レトロな空間がそこには広がっていました。