職業倫理は職種ごとに求められる責任の質が異なります。代表的な業界における職業倫理具体例を確認していきましょう。
人命に直結する医療職の職業倫理では、「善行・無危害・正義・自律尊重」の4原則が基本です。医師や薬剤師は、患者の知る権利を保障するインフォームド・コンセントを徹底し、製薬企業との過度な癒着を断つ公平性が義務付けられます。
医療現場の最前線に立つ看護師の職業倫理原則(日本看護協会策定の看護者の倫理綱領)では、患者の基本的人権の尊重やプライバシーの保護、安全な看護の提供が明記されています。患者の尊厳を脅かす発言の禁止や、不利益を生じさせない配慮が日々のケアにおいて求められます。
行政を担う公務員の職業倫理は、「全体の奉仕者」としての公権力の公正な行使が柱です。国家公務員倫理法などに代表されるように、利害関係者からの過剰な接待や贈答の受領禁止、特定の団体への便宜供与の排除が厳格に定められています。
IT業界や士業、金融業界において特に重い意味を持つのが守秘義務と職業倫理です。業務上知り得た顧客の機密データや個人情報を、私的な利益や興味本位で外部へ漏洩・流用しない規律が厳しく課されています。