政治家・辻元清美の最大の強みは、「打たれ強さ」と「全国規模のパーソナル・ブランド」にあります。その真価が最も如実に表れたのが、2021年の落選から2022年の参議院選挙への転身劇でした。
2021年の第49回衆議院総選挙において、大阪府下で猛威を振るった日本維新の会は全19選挙区をほぼ席巻。辻元氏も大阪10区で池下卓氏に約4万票の大差をつけられ、小選挙区導入以来守り抜いてきた地盤を失いました。陣営関係者が「辻元コールが街頭で掻き消され、有権者の視線が冷え切っていた」と振り返るほど、当時の維新ブームは圧倒的でした。
しかし、彼女が選んだ再起の道は、再び大阪で維新と対決することではなく、「2022年参議院選挙における全国比例代表への鞍替え」でした。この戦略的判断の背景には、2つの計算が存在していました。
- 地方区の地域風圧を回避した全国規模の知名度活用:地域政党の勢力が強い大阪のローカルな風に左右されず、長年培った全国規模の知名度を最大限に換金するアプローチ。
- 野党支持層・労働組合・市民グループの集約:参院比例代表制において、立憲支持層のみならず社民・リベラル系浮動票の受け皿として自身を位置付けたこと。
結果として辻元氏は、2022年7月の参院選で立憲民主党の比例代表候補の中でトップとなる27万1,835票を獲得。党内2位の候補を大きく引き離す圧倒的な得票力を見せつけ、わずか8カ月余りで永田町への帰還を果たしたのです。地域政治の論理から解き放たれ、「全国区のリベラル論客」として再定義されたことが、現在の強固な基盤につながっています。