週刊誌の二大巨頭である『週刊文春』と『週刊朝日』。このライバル関係にある2誌で、同時に看板連載を持ち続けたという事実は、出版業界においても異例中の異例である。
文藝春秋からは味わい深い随筆や漫画が次々と発表され、朝日新聞出版からは『丸かじりシリーズ』の単行本や文庫が続々と世に送り出された。出版社や媒体の垣根を越え、広く大衆に愛され続けた背景には、彼の描くテーマが常に「庶民の目線」に寄り添っていたからにほかならない。大げさな言説を排し、誰もが共感できる日常の断片を掬い取る技量は、出版文化史における一つの金字塔と言える。