現場の動揺を引き起こした最大の要因は、タイ政界の急激な地殻変動だ。タイ首相に就任したペートンタン・シナワトラ氏は、娯楽目的での大麻使用を全面的に禁止し、本来の「医療目的」へ限定し直す方針を強硬に打ち出した。無秩序な拡大に対する世論の批判を受け、政治的リーダーシップによる力技の引き締めが始まったのだ。
これに対し、解禁の旗振り役だったアヌティン・チャーンウィラクーン副首相兼内相率いる勢力との間では、激しい政治的摩擦が火花を散らす。連立政権内の思惑が交錯する中、タイ保健省が取りまとめる新たな規制法案は、無許可販売や公共の場での使用に対して極めて重い刑罰を科す方針を鮮明にした。政治の力学が、一夜にして市場のルールを塗り替えようとしている。