緑の羽根を巡る最大の関心事は、投じたお金の最終的な行き先です。かつては使途の不透明さを指摘する声もありましたが、現在は1995年(平成7年)に制定された「緑の募金法(正式名称:緑の募金による森林整備等の推進に関する法律)」によって、厳格な枠組みが定められています。
全国の募金活動を統括しているのは公益社団法人「国土緑化推進機構」であり、各都道府県に設置された緑化推進委員会が地方自治体や地域団体と連携して活動を展開しています。同機構の公式決算および事業報告データによると、全国で集まる寄付金の総額は年間およそ20億円前後にのぼり、その使途は主に以下の4本柱に分類されています。
- 森林整備事業(全体の約40〜50%):水源林の保全、荒廃した人工林の間伐、台風や豪雨による倒木被害地の復旧植樹など、災害に強い山林づくりの現場へ直接投じられます。
- 身近な地域の緑化(全体の約20〜25%):公立小中学校の校庭緑化、公園や通学路の花壇整備、公共施設や病院の植栽事業などに充当されます。
- 緑の少年団・環境教育(全体の約15〜20%):子どもたちが自然体験や植樹祭を体験する「緑の少年団」の活動支援資材やテキスト作成費用になります。
- 国際緑化協力・普及啓発(残余):開発途上国における砂漠化防止植樹活動や、国内の地球温暖化防止啓発キャンペーンなどに配分されます。
都道府県緑化推進委員会に集まった寄付金のうち、およそ7割から8割はその都道府県内の里山保全や学校緑化事業へダイレクトに還元される仕組みが取られています。つまり、手元を離れた硬貨は巡り巡って、私たちが普段生活している地域の防災林や子どもたちの教育環境へと還元されているのが制度上の実態です。