二人の関係の根底にあるのが、魂を担保にした不可逆の契約です。黒執事 シエルとセバスチャンの契約理由は、ファントムハイヴ家が惨殺された凄惨な事件に端を発します。カルト教団の生贄の儀式において、檻の中で絶望の極限に達したシエルが「神」を否定した瞬間、供物の死を対価としてセバスチャンがこの世に現界しました。
交わされた契約条件は極めてシンプルかつ残酷です。
- 第1条:契約者(シエル)に嘘をつかないこと
- 第2条:契約者の命令には絶対に従うこと
- 第3条:契約者が復讐を果たし終えるまで守護し、裏切らないこと
この対価として支払われる報酬こそがシエルの魂です。セバスチャンにとってシエルは、深い絶望と強い復讐心によって極限まで研ぎ澄まされた「極上のご馳走」に他なりません。気まぐれや慈悲ではなく、至高のディナーを最高の状態に仕上げて喰らうことこそが、彼が執事を演じ続ける真の目的です。
また、黒執事 セバスチャンの過去と真相を紐解くと、彼は過去数百年から数千年にわたり人間界に出現し、歴史の陰で数多くの人間を破滅に導いてきたことが示唆されています。過去には黒死病(ペスト)の蔓延や歴史的混乱の場にも関与していたと語られており、人知を超えた時間の彼方を生きる冷徹な捕食者であることが浮き彫りになっています。