二人の物語の幕開けは1994年に遡ります。当時「遠峰ありさ」の芸名で深夜バラエティ番組『テンベストHEY』などに出演していた彼女の類まれな華やかさと透明感のある声に、時代の覇者であった小室哲哉が着目したことがすべての始まりでした。小室哲哉は自らの直感に従い、彼女を本格的なボーカリストとして育成することを決意します。
本名の華原朋美へと改名し、1995年9月にリリースされたデビューシングル『keep yourself alive』はオリコンチャート上位に食い込み、瞬く間に注目を集めました。そして続く2ndシングル『I BELIEVE』がミリオンセラーを記録。新人賞を総なめにし、瞬く間にトップアーティストの仲間入りを果たします。当時の音楽シーンは「小室ファミリー(TKファミリー)」がオリコン上位を独占する全盛期であり、その中でも華原朋美は小室哲哉にとって最大のミューズ(音楽的霊感の源泉)でした。
その蜜月関係を象徴する金字塔が、1996年3月に発表された3rdシングル『I'm proud』です。この楽曲の誕生秘話として語り継がれているのは、小室哲哉が華原朋美の日常の話し言葉、恋する少女の不安や孤独、そして自立への願いをリアルタイムで観察し、そのまま歌詞とメロディへと昇華させたという制作現場の生々しいプロセスです。華原朋美の突き抜けるようなハイトーンボイスと等身大の切なさは日本中の共感を呼び、ダブルミリオンに迫る約139万枚の大ヒットを記録しました。