多くの企業で新入社員研修やコミュニケーション調査が実施されていますが、職場での挨拶をめぐる認識のズレは後を絶ちません。現場の生の声を取材すると、挨拶ひとつで職場の空気が大きく左右されている実態が浮き彫りになります。
大手IT企業で働く入社2年目の社員は、当時の戸惑いを次のように振り返ります。
「フレックスタイム制で11時半に出社した際、周囲の先輩に『おはようございます』と挨拶したところ、一部のベテラン社員から『もう昼なんだからお疲れ様ですだろ』と注意されました。一方で別の先輩からは『その日の最初の挨拶だからおはようで合っているよ』と言われ、どちらに従うべきか深く悩みました」
SNSやビジネス掲示板(知恵袋・オープンチャット等)でも、「挨拶を返してくれない上司にどう接するべきか」「挨拶の声が小さくてやる気がないと評価された」といった相談が頻繁に寄せられています。挨拶は社会心理学において「ストローク(相手の存在を認める刺激)」と呼ばれ、職場における心理的安寧を担保する極めて重要なシグナルです。無言やすれ違いは、業務上の連携ミスやモチベーション低下に直結するリスクを孕んでいます。