かつて玩具・知育玩具産業は、この回転グッズを「子どもの集中力を引き出す画期的なツール」として世界中に売り込んだ。しかし、実際の臨床実験が示す結果は複雑だ。注意欠如・多動症(ADHD)の傾向を持つ児童を対象とした観察研究では、手持ち無沙汰を解消する運動的発散が得られる一方で、視覚的注意が回転体に奪われ、結果として授業や学習への集中度が低下する事態が確認されている。指先は動いていても、肝心の頭脳は置き去りにされているのだ。
同様に、自閉スペクトラム症(ASD)における感覚調整の手段として一定の評価を与える声があるものの、万能薬ではない。特定の刺激に対する強い執着を誘発し、常同行動を固着化させてしまうリスクも指摘されている。個々の特性に応じた慎重な環境設計なしに導入することは、かえって本人の社会適応を妨げる結果になりかねない。