アーケード商店街を歩くと、昭和の雰囲気をそのまま残す青果店や衣料品店と、新しくオープンしたスパイスカレー店やアートギャラリーが背中合わせに並んでいる。かつて高度経済成長期を陰で支えた労働者たちの町は、時を経て独自のカルチャースポットへと脱皮しつつある。
「昔からの常連さんも、海外から来た若い子も、カウンターに座ればみんな同じ『お客さん』ですよ」。そう語るのは、この地で40年以上居酒屋を営む店主だ。看板メニューのどて焼きを鍋から盛りつけながら、ここ数年で街の景色が加速度的に変わったことを肌で感じているという。古びた街並みは決して排除されることなく、新しい店舗デザインの「文脈」として再解釈されている。