「B・BLUE」を語る上で欠かせないのが、制作当初に付けられていたタイトル「TRUE BLUE」を巡るエピソードです。レコーディング現場や当時の音楽雑誌『月刊カドカワ』『ROCKIN'ON JAPAN』のインタビュー記録によると、デモ音源の段階では純粋さや誠実さを意味する「TRUE BLUE」というタイトルで進行していました。
タイトル変更の直接的な契機となったのは、1986年6月に世界的スーパースターであるマドンナが発表したアルバムおよびシングル『True Blue』の存在です。全世界で空前の大ヒットを記録していた世界的ポップアイコンとタイトルが重複することを避けるため、布袋寅泰が新たな名称の考案を主導しました。
その際、布袋が提示したのが頭文字に「B」冠した「B・BLUE」という造語でした。この「B」には複数の象徴的な意味が重層的に込められています。
- 「BOØWY」の頭文字である「B」:バンド自体のアイデンティティを楽曲に刻み込む誇り
- 「Broken(傷ついた・壊れた)」の「B」:歌詞中に登場する「BROKEN WING」と呼応するアンチヒーローの影
- 「Beat(鼓動・ビート)」の「B」:彼らが標榜したビートロックの推進力
単なる被り回避という偶発的なアクシデントを逆手に取り、独自のロックアイコンへと昇華させた点に、当時のBOØWYが持っていた鋭利なプロデュース感覚が如実に表れています。