欧州組のタレントが集まるチームに対しては、往々にして「個々のプライドがぶつかり合い、寄せ集めの傭兵集団になりかねない」という懸念がつきまといます。アフリカサッカー界でも、欧州生まれの選手と国内組の軋轢によって内部崩壊したケースは過去に数多く存在しました。しかし、カーボベルデ代表にはその兆候が一切見られません。なぜ彼らはこれほど強固な団結を維持できるのでしょうか。
現地関係者の証言や海外メディアの密着取材によると、チーム内には「モラベザ(Morabeza)」と呼ばれるカーボベルデ独特の歓待と連帯の精神が深く根付いていると語られます。選手たちは生まれ故郷(リスボン、ロッテルダム、パリなど)が異なっていても、ロッカールームでは母国の伝統音楽「モルナ」や「フナナ」を大音量で流し、共通のソウルフードを囲んで言葉やカルチャーの壁を融解させています。
記者会見でブビスタ監督が残した「我々は単なるサッカーチームではない。世界中に散らばる何百万人もの同胞の心臓であり、彼らの誇りそのものなのだ」という発言は、チームのアイデンティティを雄弁に物語っています。海外の反応を見ても、大国相手に怯まず、全員がハードワークを惜しまずに連動して走り抜く「青いサメ」のファイトスタイルに対し、欧州メディア各紙は「今大会で最も戦術的に洗練され、誠実なコレクティブを見せる集団」と手放しの称賛を送っています。
SNS上でも、AFCONでの快進撃時には「人口50万人の国がアフリカの巨人を次々と飲み込んでいく」「これぞ本物のフットボールのロマン」といった現地の熱狂的な投稿が溢れ、いまや世界中のアンダードッグ(弱者)の希望の象徴となっているのです。