大内山動物園は、戦後の日本社会が培ってきた「娯楽・消費としての展示型動物園」から、「共生と保護を志向するシェルター型動物園」へのパラダイムシフトを体現する、極めて稀有なモニュメントです。高度経済成長期に乱立した多くの私設動物園が経営難の末に無責任な崩壊を遂げた歴史を鑑みれば、一民間企業と個人の情熱がここまで高度な環境再生と継続的な福祉を実現した事例は、日本の環境社会学の観点からも特筆に値します。
この特異な成り立ちを踏まえ、編集部として来園の判断基準を明確に提示します。
【本園への訪問を強くおすすめできる人】
動物たちの生きる息遣いを肌で感じたいファミリーやカップルはもちろん、保護動物たちの背景を知り、子どもに「命の大切さや人間の責任」を教えたい親御さんには最高の生きた教材となります。また、大型公営園の形式的な展示に物足りなさを感じ、手づくり感のある温かいふれあいを求める旅行者にとっては、唯一無二の感動が得られるはずです。
【訪問にあたって慎重な判断が必要な人】
平坦で広大なテーマパーク型レジャーを望む人や、一切の動物特有のにおい・汚れを避けたい潔癖志向の人には、山林特有の起伏や野生のリアルさがミスマッチとなる可能性があります。また、雨天時の移動や足元のコンディションを気にする場合は、天候を厳密に見極めてスケジュールを組む必要があります。