連続テレビ小説第84作として放送された『おひさま』は、信州・安曇野や松本を舞台に、激動の昭和を太陽のような笑顔で生き抜いたヒロイン・須藤陽子の半生を描いた感動作です。当初、劇中では服部隆之が作曲した壮大なオーケストラによるインストゥルメンタル版がメインテーマとして流れていました。
しかし、放送開始直前に発生した東日本大震災という未曾有の国難に直面する中、被災地をはじめとする日本全国の人々へ「言葉の力で寄り添い、生きる希望を届けたい」という制作陣の強い意志が結実します。脚本を担当した岡田惠和が自ら作詞を手掛け、圧倒的な表現力と温かな響きを持つ平原綾香が歌唱を担当することで、ボーカル版「おひさま〜大切なあなたへ」が誕生しました。
関係者の証言や当時の制作ドキュメントによると、岡田惠和はドラマの台本を執筆しながら、登場人物たちの人生だけでなく、現実世界で過酷な痛みを抱えるすべての人々に光が差す情景を祈るようにして歌詞を書き上げたとされています。劇中の枠組みを飛び越え、時代を包み込む普遍的なアンセムとなった背景には、作り手たちの純粋な人間愛が存在しています。