「マツモトキヨシに行ったのにキャンメイクのコーナーすらなかった」「ウエルシアを何軒か回ったが置いている店とない店がある」――こうした疑問の声は、掲示板やSNS上で日常的に飛び交っています。この現象には、販売元である井田ラボラトリーズの厳密なブランド管理と、ドラッグストア側の売り場効率化という2つの側面が関係しています。
決定的な要因は、キャンメイクが原則として「ブランド専用のフロア什器または大型エンド什器の一括設置」を導入条件としている点にあります。キャンメイクは数百円台という低価格帯を維持しながら、ピンクを基調とした独自の世界観と視覚的な統一感によって消費者の購買意欲を喚起する「セルフレコメンド型」の陳列を採用しています。そのため、棚1段だけに数アイテムを雑多に並べるような陳列を基本認めていません。
この契約・什器基準が、店舗ごとの「ある/なし」を分断します。たとえば駅ナカや繁華街の狭小店舗(敷地面積が限られるマツモトキヨシの都市型店舗など)では、売上効率を最大化するために医薬品やインバウンド向け高単価コスメ、自社プライベートブランド(PB)が優先され、キャンメイクの専用ラックを置くスペースを確保できません。一方で、郊外型の大型ロードサイド店舗であれば、広大なコスメ売り場の一等地にフルラインナップの什器が堂々と構えられています。
また、ドラッグストアのプチプラコスメ割引ルールも背景に影響しています。キャンメイクは原則として「割引対象外(クーポン利用不可)」に指定されるケースが一般的です。10%〜15%オフクーポンを武器に集客を図るドラッグストアチェーンにおいて、定価販売を徹底するアイテムの構成比率をどう設定するかは、個々のフランチャイズやエリアマネージャーの裁量、立地ごとの客層判断に委ねられている側面も見逃せません。