本作を語る上で欠かせないのが、2013年6月26日にリリースされた8thシングル『高嶺の花子さん』の収録曲であるという文脈です。表題曲とカップリング曲の関係性は、まさにコインの表と裏のような絶妙なコントラストを形成しています。
『高嶺の花子さん』は、自分とは住む世界が違うと感じる相手への手が届かない苛立ちや、妄想が暴走する焦燥感を疾走感あふれるアッパーなバンドサウンドで爆発させた楽曲です。それに対し、『君の恋人になったら』は、テンポを落ち着かせ、手の届く距離にいる相手と築きたい温かな未来を静かに見つめるミディアムナンバーに仕上がっています。
この2曲が1枚のシングルに同居していたからこそ、リスナーは「憧れに狂おしくなる衝動」と「静かに寄り添いたい純情」の両面を体験することができました。その後、2016年にリリースされたベストアルバム『アンコール』にも収録アルバムの重要トラックとして選出され、back number人気曲ランキングの常連としての地位を不動のものにしました。