大手読書コミュニティサイトやSNS(X、旧Twitter)に寄せられた数万件に及ぶ読者の肉声を検証すると、夕木春央作品に対する評価は異様なほどの熱量を帯びています。
『方舟』に関しては、「読み終わった後、放心状態で数分間ページをめくり直した」「今までの人生で読んだミステリの中で一番恐ろしい結末」「夕木春央の頭の中はどうなっているのか」といった絶賛の声が支配的です。読書メーターやブクログにおける平均評価も軒並み星4つ以上をキープしており、一度読んだ人間が他者へ「絶対にネタバレを見ずに読んで」と布教したくなる特異な感染力を持っています。
一方で、デビュー作『絞首商会の決闘』などに対しては「文体がクラシックで落ち着いているため、『方舟』のような派手なサスペンスを期待するとテンポが遅く感じる」という客観的な指摘もあります。作風の幅広さゆえに、現代クローズドサークルから入った読者が初期作品を読む際には、そのクラシカルな味わいを理解した上で接することが満足度を高める秘訣です。