西城秀樹「恋する季節」誕生秘話|ワイルドな17才の衝撃と原点を解剖

西城秀樹「恋する季節」誕生秘話|ワイルドな17才の衝撃と原点を解剖

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西城秀樹(本名・木本龍雄)の音楽的出自は、歌謡曲ではなく本格的な洋楽ロックとジャズにありました。父親がジャズ好きだった影響から、小学生にしてドラムスティックを握り、広島の米軍基地周辺やジャズスクールで腕を磨いた経歴を持ちます。中学生時代には兄たちと結成したバンド「ベガーズ」でドラムを担当しながら、やがてボーカルとして頭角を現していきました。当時の地方都市としては異例なほど、R&Bやハードロックの洗礼をダイレクトに浴びていたのです。

そんな彼を東京の芸能界が見逃すはずはありませんでした。広島でのステージを目にした芸能関係者からの強いスカウトを受け、父親の猛反対を押し切る形で単身上京。芸映プロダクションの預かりとなり、芸名を「西城秀樹」と改めました。関係者の証言によれば、当時の事務所社長やスタッフは、彼のスラリとした長い脚と彫りの深い顔立ち以上に、「リズム感の鋭さと、内側から吹きこぼれるような野性味」に天性のスター性を確信していたといいます。

デビュー曲の制作にあたり集結したのは、当時のヒットメーカーたちでした。作曲を担当した鈴木邦彦は、GS(グループ・サウンズ)の熱狂を牽引したメロディメイカーであり、ビートの効いたポップスに定評がありました。そして編曲を手掛けたのが、後に西城秀樹の数々の代表作をプロデュースすることになる若き日の馬飼野康二です。洋楽直系のブラスロックと疾走感あふれるベースラインを融合させたアレンジは、従来の歌謡ポップスとは一線を画すダイナミズムを宿していました。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。