黒板に向かって一直線に並ぶ机。そんな従来の教室像は、ここでは過去のものになりつつある。生徒たちは数人のグループを作り、自分たちで設定したテーマについて身を乗り出して議論を重ねる。手元にあるタブレット端末は、単なる検索用具ではない。データを分析し、アイデアを可視化するための強力な武器だ。
「最初は意見をまとめるだけでも一苦労でした。でも、まちの課題を数値で見つめ直すうちに、自分たちに何ができるかが具体的に見えてきたんです」。中学3年生の男子生徒は、画面上のグラフを指差しながら熱っぽく語る。教員は壇上から講義をするのではなく、グループ間を回りながら問いを投げかける「伴走者」役に徹していた。