ORANGE RANGEというバンドを語る上で欠かせないのが、ベースを担当するYOH(宮内 陽)と低音ボーカルのRYOが実の兄弟であるという事実です。YOHが2歳上の兄であり、バンドのリーダー的存在として音楽的な舵取りを行ってきました。
ロック史において、兄弟で結成されたバンド(例えばオアシスのギャラガー兄弟やキンクスのデイヴィス兄弟など)は、感情の衝突や主導権争いによって解散や活動休止に追い込まれるケースが少なくありません。しかし、宮内兄弟の間にはそうした不毛な衝突が見られません。その理由は、互いの領域を尊重する絶妙な距離感にあります。
【プロの結論】家族社会学と心理的バウンダリーの視点から紐解く組織継続の鍵
家族社会学および心理療法の観点において、兄弟や親子がビジネスを共にする際に最も重要とされるのが「心理的バウンダリー(境界線)」の確立です。
YOHはインタビュー等で「バンドの中では兄弟というより、一人のミュージシャンとしてRYOを見ている」と語っており、RYOもまた兄の音楽的リーダーシップに全幅の信頼を寄せています。家庭内の上下関係を仕事場に持ち込まず、職人同士としてのリスペクトを保つ。この共依存に陥らない健全な境界線こそが、ORANGE RANGEがメンバーチェンジ(脱退)の荒波を乗り越え、20年以上も解散せずに前進し続けられた最大の組織論的勝因です。