赤羽ブームの頂点として記憶されるのが、実力派俳優の山田孝之を巻き込んだ映像化プロジェクトだ。テレビ東京の深夜枠で放送された『山田孝之の東京都北区赤羽』は、ドキュメンタリーとフィクションの境目を完全に破壊し、深夜ドラマの歴史に異彩を放つ足跡を残した。
画面に現れる原作者の清野は、ここでもやはりマスク姿のままだった。奇怪な風貌の漫画家と、思い悩むトップ俳優が赤羽の片隅で言葉を交わす異様な構図は、テレビの前の視聴者を強烈に惹きつけた。テレビ東京ならではのエッジの利いた演出が、作家の持つアングラな魅力を損なうことなく全国のお茶の間へと浸透させた瞬間だった。