三井氏の代表作の中でも、世界的な称賛を浴びたのが浮世絵師・葛飾北斎の傑作を表現した「神奈川沖浪裏レゴモデル」だ。200年以上前に描かれた平面の浮世絵を、奥行きと躍動感を備えた三次元の立像へと再構築する——。この前代未聞の試みには、400時間以上の制作時間と、およそ5万個におよぶパーツが費やされた。
ダイナミックにうねる大波の飛沫や、荒波に耐える舟人の緊迫感。平面に描かれた線のグラデーションを、角ばったプラスチックパーツだけでどう表現するか。三井氏は波の曲線を表現するために、パーツの組み合わせパターンを何度もミリ単位で試行錯誤したという。完成した作品は、浮世絵の持つ独特の静と動の見事な融合であり、伝統文化と現代テクノロジーが交差した奇跡の瞬間として国内外で絶賛された。