「介護職は全職業の中で最も辞める人が多い」という言説は、統計上明確な誤解です。介護労働安定センターが実施する介護労働実態調査の最新データによると、訪問介護員および施設介護職員を合わせた離職率は13%台後半から14%台前半で推移しています。
厚生労働省の「雇用動向調査」における全産業の平均離職率(概ね15%前後)との比較を行うと、介護職の離職率は他産業平均と同等、あるいは年によっては下回る水準を維持しています。かつて2000年代初頭に見られた20%前後の深刻な離職ラッシュと比較すると、長期的な推移として定着率は確実に改善傾向を示しています。
それにもかかわらず「崩壊寸前の人手不足」と叫ばれ続ける背景には、介護需要の爆発的な拡大に対して新規流入者数が追いついていないという構造問題が存在します。「人が辞めまくっている」のではなく、「必要とされる総数が急増し続けているため、定着していてもなお足りない」というのが現場の正確な構図です。