インターネット上の掲示板やSNSでは時折、「『手のひらを太陽に』は実は怖い歌なのではないか」「被爆者の惨状を歌った都市伝説がある」といった真偽不明の噂が囁かれることがあります。
こうした言説が生まれた背景には、以下の2つの要因が関係しています。
- 「血潮」という直接的な生理的ワード:児童向けの童謡としては珍しく「血」という言葉がストレートに使われているため、幼少期にグロテスクなイメージや恐怖心を抱いた層が一定数存在する。
- オケラやミミズの死生観との混同:土の中に潜る虫たちを「死」や「埋葬」のメタファーとして深読みするネットカルチャー特有の拡大解釈。
しかし、当時の制作記録やNHKのアーカイブ資料、やなせ氏本人の数多くの証言を検証すると、これらの都市伝説に事実としての根拠は一切ありません。前述の通り、極寒の中で自身の生命を確認した懐中電灯のエピソードが唯一無二の動機であり、恐怖どころか「生きることへの純粋な賛歌」であることが歴史的にも明確に裏付けられています。