眠気を引き起こすもう一つの強力な要素が、脳内物質オキシトシンの急激な分泌だ。親密な関係性や深い信頼感を持つ相手と空間をともにすると、視床下部からオキシトシンが放出される。この物質は不安感を劇的に低減させ、ストレスホルモンであるコルチゾールの血中濃度を下げる働きを持つ。
さらに、嗅覚からの刺激も見逃せない。人間は無意識のうちに相手のHLA遺伝子(免疫をつかさどる遺伝子)に由来する匂いを感知している。自分とは異なる免疫型を持つ相手の匂いは、脳に本能的な安心感を与え、緊張の糸を解くキッカケとなる。体が「この人の側にいれば安全だ」と判断した瞬間、自律神経は休息モードへと一気にシフトする。