台風情報を追う際、SNSやネット掲示板ではしばしば「今回は雨台風だから風はたいしたことない」「中心気圧がそれほど低くないから平気」といった誤った言説が見受けられます。しかし、これは極めて危険な思い込みです。
第一の誤解は、「台風のサイズ(大きさ)」と「風速の強さ」の混同です。令和元年の15号は、強風域の半径が比較的小さい「コンパクトな台風」でした。しかし、中心付近の気圧傾度が極めて急激であったため、接近する直前まで風が弱く、暴風域に入った途端に急激に猛烈な突風が吹き荒れました。この急変が住民の避難行動を遅らせる要因となりました。
第二の誤解は、「過去に耐えられたから今回も大丈夫」という油断です。住宅の耐風性能は経年劣化や過去の台風による歪みの蓄積で低下しています。また、風向きがわずかに変わるだけで、建物の開口部や軒下に吹き込む揚力(持ち上げる力)が跳ね上がり、屋根が一気に剥がれるケースが報告されています。