デジタル時代における音楽の楽しみ方は劇的に変化した。ソニー・ミュージックエンタテインメントが手掛ける「THE FIRST TAKE」に代表される一発撮りコンテンツの爆発的ヒットは、アーティストの一瞬の吐息やリアルな感情表現に対する観客の目を肥えさせた。その視線は当然、リアルなライブ現場へとストレートに跳ね返ってくる。
音源の完璧な再生ではなく、その場限りの緊張感と生の歌声を求めるファンが渋谷に殺到している。デジタル画面越しに体験した感動の原点を確かめるかのように、観客はステージ上のアーティストの一挙手一投足に耳を澄ませる。スタジオセッションの緊迫感とライブハウスの生々しさが相互に影響し合い、パフォーマンスの質はかつてない高みへと押し上げられている。