大手外食チェーンのセントラルキッチン方式や均一化されたサービスが当たり前となった現代において、たつ屋 新宿店が醸し出す佇まいは、まさに昭和レトロな牛丼屋の生きた文化遺産と呼ぶにふさわしい風情を湛えています。
創業は日本の高度経済成長期まっただ中の1969年(昭和44年)。新宿駅東口から歩いてすぐ、映画館や飲食店が密集するエリアに店を構え、半世紀以上にわたり界隈のビジネスパーソン、映画ファン、買い物客の胃袋を満たしてきました。カウンター席を中心としたコンパクトな店内には、長年使い込まれた什器と、大鍋から立ち上る甘辛い醤油と出汁の香りが充満しています。ファストフードでありながら、どこか大衆食堂のような温かみと職人の手際が息づいている点が、この店の最大のアイデンティティです。