幼少期から親戚の期待に応えようと勉学に励んだムロツヨシは、神奈川県立横浜湖陵高校を経て、一浪の末に難関として知られる東京理科大学理学部数学科へと進学を果たしました。親戚一同は大喜びし、順風満帆なエリートコースを歩むかに見えました。
しかし、大学入学からわずか3週間ほど経った頃、彼の運命を大きく変える出来事が訪れます。当時観劇した舞台『飛龍伝』(つかこうへい作、堺雅人主演)の圧倒的な熱量と演技に衝撃を受け、「自分もあちら側の世界に行きたい」「何かに魂を燃やして生きたい」と強烈に胸を打たれたのです。
役者になると決意したムロツヨシは、周囲の猛反対を押し切って入学からわずか3週間で大学を中退。育ててくれた叔父や叔母を裏切るような形になってしまったことに深い葛藤を抱えながらも、自らの直感を信じて演劇の世界へ飛び込みました。