飛行機恐怖症とは?パニックの理由と搭乗前の克服法を徹底解説

飛行機恐怖症とは?パニックの理由と搭乗前の克服法を徹底解説

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精神医学における診断基準「DSM-5」において、飛行機恐怖症は「特定の恐怖症」のうち「状況型」に分類される疾患です。単に「飛行機があまり得意ではない」という日常的な苦手意識を大きく逸脱し、搭乗を想像したり空港に足を踏み入れたりするだけで、激しい動悸、呼吸困難、冷や汗、手足の震えといった自律神経のパニック反応を引き起こす点が特徴です。

世界で最も統計的に安全な交通機関とされる航空機に対して、なぜこれほど強烈な恐怖を抱いてしまうのでしょうか。取材現場で専門医や航空心理学者たちが指摘する「飛行機が怖い理由」の根本には、人間が太古から持つ生存本能との乖離が存在します。

第1の要因は、「コントロール感の完全な喪失」です。自動車の運転であれば、体調が悪くなれば路肩に停めることができますし、電車であれば次の駅で降りることができます。しかし、高度1万メートルを時速800キロメートル以上で飛行する旅客機の中では、搭乗客は何一つ事態をコントロールできません。「操縦桿を他人に握られ、自分の意志では一切降りられない」という絶対的な無力感が、自律神経の交感神経を極限まで刺激します。

第2の要因は、「過去の事故報道によるトラウマ的記憶の刷り込み」です。1985年の日本航空123便墜落事故の検証映像や、2001年のアメリカ同時多発テロ事件など、メディアを通じて繰り返し放映された凄惨な映像記憶は、脳の扁桃体に深く刻み込まれています。確率論としては「航空機事故で死亡する確率は数百万分の一」という明確なファクトが存在していても、恐怖を司る大脳辺縁系は論理的な数字を受け付けず、過去の破局的イメージを現在の脅威として誤認してしまうのです。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。