淡蒼球の驚くべき働きとは?大脳基底核のブレーキ機構と最新治療

淡蒼球の驚くべき働きとは?大脳基底核のブレーキ機構と最新治療

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淡蒼球に病変や変性が生じると、大脳皮質への運動抑制のバランスが崩壊し、特徴的な「淡蒼球障害症状」が現れます。代表的なものが、本人の意思とは無関係に筋肉が異常収縮・痙攣する不随意運動症状です。

持続的な筋緊張によって身体が捻じれて異常な姿勢を取ってしまう「ジストニア」や、手足が滑らかに波打つようにくねくねと動く「アテトーゼ」は、淡蒼球を含む大脳基底核ループの異常によって生じます。また、視床下核からの入力が途絶えて淡蒼球内節の抑制が効かなくなると、手足を激しく投げ出すような「バリズム」という激しい運動発作が起こることもあります。

さらに神経内科領域において広く知られているのが、淡蒼球の一酸化炭素中毒(CO中毒)に対する脆弱性です。淡蒼球は血管構築上の特徴から酸素消費量が極めて高く、鉄分や重金属が多く沈着しやすい組織特性を持っています。そのため、火災や不完全燃焼による一酸化炭素中毒、あるいは心停止後の重度低酸素脳症において、左右対称性に壊死(淡蒼球病変)を起こす典型的な標的部位となります。

一酸化炭素中毒による急性期の意識障害から回復した数日から数週間後に、無気力、歩行障害、パーキンソニズム、認知機能低下などの重篤な後遺症が突如として出現する「間欠型一酸化炭素中毒」は、この淡蒼球の壊死・脱落が主要な病因として報告されています。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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