『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』が残した最大の功績は、スタジオに鎮座するタレント中心の番組作りから、「街頭の一般人」を主役に据えたドキュメントバラエティへの大転換でした。総合演出を務めたテリー伊藤氏による予測不能な演出は、数々の「神回」を生み出しました。
なかでも視聴者の度肝を抜いたのが、寝起きドッキリの究極形である早朝バズーカです。早朝、静まり返るターゲットの寝室に軍服姿の高田純次さんらが突入し、至近距離から轟音とともに空砲を撃ち放つという前代未聞の企画でした。驚愕して跳ね起きるターゲットの生々しいリアクションと、それを無責任な笑顔で見つめる高田純次さんのコントラストは、日曜夜のお茶の間に衝撃を与えました。
また、社会現象を巻き起こしたのが高校生ダンス甲子園です。ストリートダンスがまだ一般的ではなかった時代、全国の高校生ダンサーたちが己のプライドをかけてバトルを繰り広げました。圧倒的なスキルで頂点に立った「LL BROTHERS」や「IMPERIAL」のパフォーマンスは、日本のヒップホップ・ストリートダンス文化の普及に決定的な影響を与えたと評価されています。
さらに、一般人の恋愛や人間模様を赤裸々に描いた「勇気を出して初めての告白」や「失恋傷心バスツアー」、無名時代のX JAPAN(当時・X)が出演して早朝から民家で激しい演奏を繰り広げた「ヘビメタ企画」など、予定調和を徹底的に破壊するエネルギーに満ちていました。