武見敬三氏に対する評価は、国内の政治記者や医療関係者、そして国際機関の間でそれぞれ異なる側面を見せています。
海外における名声は極めて高く、世界的な医学誌『The Lancet』のコミッショナーやWHO事務局長特使を務めた実績から、海外の公衆衛生トップとの直接交渉が可能な「日本で最も顔の利くヘルスケア外交官」として認知されています。国際会議の場で見せる流暢な英語でのスピーチや論理的プレゼンテーションは、外務省幹部からも一目置かれてきました。
一方、国内政界における派閥の文脈では、自民党屈指の結束力を誇る志公会(麻生派)の重鎮として確固たる基盤を維持しています。麻生太郎最高顧問との親族関係や長年の信頼関係をテコに、党内の政策決定プロセスにおいて強い発言権を行使してきました。
ネット上の口コミやSNSでの評判を見ると、「専門性が高く答弁が安定している」「理路整然としていて政策の意図がわかりやすい」と評価する声がある一方、「エリート特有の近寄りがたさがある」「記者会見での受け答えが威圧的に見えることがある」といった感情的な反発も見られます。現場のポピュリズムに安易に迎合せず、冷徹なまでにロジックを重視する姿勢が、賛否両論を呼ぶ要因と言えます。