なぜ他の食べ物ではなく「氷」でなければならないのか。その背景には、自律神経のバランス崩壊が深く関わっています。
慢性的なストレスや過労が続くと、交感神経が過剰に優位となり、脳内の血流や体温調節機能に狂いが生じます。この状態に陥ると、脳の視床下部にある体温調節中枢が「頭部が異常に熱を持っている」と誤認し、局所的なのぼせ感や渇きを覚えるようになります。この不快感を急速に鎮めるために、本能的に氷の強烈な冷たさを求めてしまうのです。
さらに、氷を噛むリズミカルな咀嚼運動は、脳内で精神安定物質である「セロトニン」の分泌を一時的に促す効果を持っています。つまり、心が極度の緊張や不安に晒されている時、脳が自らを落ち着かせるための応急処置として氷を噛む行動を誘発していると考えられます。