メインプロットだけでなく、1話完結〜数話完結の本格ミステリーとしての切れ味も本作の真骨頂です。特にコナン トリック 傑作回として名高いのが、第11話『ピアノソナタ「月光」殺人事件』です。ベートーヴェンの楽曲になぞらえて行われる連続殺人と、楽譜を用いた暗号トリックの秀逸さはさることながら、犯人を死なせてしまった新一の深い後悔は、その後の彼の探偵としての信条「犯人を推理で追い詰めて死なせてはならない」を決定づけました。
また、初期の演出において多くの視聴者の記憶に刻まれているのが名探偵コナン トラウマ 怖い回です。第34〜35話『山荘包帯男殺人事件』では、切断された遺体の密室移動トリックとおどろおどろしい包帯男のビジュアルが強烈なインパクトを与えました。さらに第50話『図書館殺人事件』における津川館長の不気味な表情とエレベーターの死角を使った死体隠蔽は、30代前後のファンが口を揃えて「子供の頃に怖くて眠れなかった」と振り返る屈指の名場面です。