「愛が生まれた日」がこれほどまでに人々の心を捉えて離さない理由は、作詞を手がけた秋元康による巧みな心理描写にあります。「愛が生まれた日 歌詞」を注意深く追っていくと、単なる甘いラブソングではなく、孤独や過去の傷を抱えた大人の男女が、偶然の出逢いによって互いの痛みを癒やし合っていく過程が克明に描かれています。
当時、藤谷美和子の経歴はすでに波乱に満ちていました。1970年代後半のデビュー以降、ドラマ『ふぞろいの林檎たち』などで見せた圧倒的な演技センスと透明感で天才肌の女優として君臨する一方、ワイドショーやバラエティ番組では突発的な発言や自由奔放な立ち振る舞いがクローズアップされ、メディアによって「プッツン女優 噂の真相」というステレオタイプな枠組みに押し込められていました。
しかし、手記や当時のインタビューで語られた彼女の素顔は、極めて繊細で感受性が強く、嘘や虚飾に耐えられない純粋な表現者そのものでした。メディアが面白おかしく消費した「エキセントリックさ」の裏には、過剰な演出を要求する芸能界のプレッシャーに対する無意識の抵抗があったとも指摘されています。「愛が生まれた日」のボーカルに滲み出ているどこか壊れそうな切なさは、そんな彼女の内面世界と秋元康の詞世界が奇跡的なレベルで共鳴した結果でした。