高砂市民プールがこれほどまでに愛され、閉鎖後も人々の記憶に刻まれている最大の理由は、民間テーマパークにはない「圧倒的なコストパフォーマンス」と「充実した設備スペック」の両立にありました。
敷地内には、ゆったりと水流に乗って流れることができる本格的な流水プールをはじめ、直下を滑り降りる迫力満点のウォータースライダー、幼児用の浅型プール、そして本格的な競技にも対応可能な50メートルプールまで完備されていました。一般的な民間プールリゾートであれば数千円の入場料がかかるところ、高砂市民プールは一般大人数百円(最終期でも500円程度)、小中学生200円程度という、家計に優しい料金設定を維持し続けていたのです。
ネット上の口コミやSNS、地域掲示板に寄せられた利用者の声を精査すると、当時の熱気と愛着が鮮明に浮かび上がります。
「子どもの頃、夏休みになると水筒と小銭を握りしめて自転車で向島公園まで走った。スライダーに何十回も並んだあの夏が忘れられない」(40代・高砂市出身男性)
「姫路や加古川からもアクセスが良く、民間テーマパークに行く予算がなくても、ここなら毎週家族全員で楽しめた。我が子を連れて行きたかったのに本当に寂しい」(30代・近隣在住主婦)
市民の日常に溶け込んだ夏のオアシスであったからこそ、経済合理性による閉鎖宣告は、多くの人々にとって「青春の1ページの喪失」として受け止められました。