そもそも、なぜ尾田栄一郎氏は黄猿のモデルに田中邦衛さんを選んだのでしょうか。そのヒントは、田中さんが映画『トラック野郎・爆走一番星』で演じた役名「ボルサリーノ2」にあります。黄猿の本名「ボルサリーノ」は、ここから直接名付けられました。
黄猿の特徴である、のんびりとした口調、掴みどころのない性格、そしてどこか哀愁を帯びた表情。これらはすべて、田中邦衛さんが長年のキャリアで培ってきた「人間臭さ」のデフォルメです。単なる悪役でもなく、ステレオタイプの正義の味方でもない。その複雑なニュアンスを表現するために、田中さんの顔立ちと独特の仕草が必要不可欠だったのです。