油屋で千尋を指差して「人間だ! 人間の匂いがする!」と叫んだ、あの印象深いカエルの名前は、公式設定で「青蛙(あおがえる)」と名付けられています。特定の個人名というよりは種族名そのものの響きを持ちますが、劇中で個体として明確にスポットライトが当たる重要キャラクターです。
宮崎駿監督のイメージボードや公式設定資料によると、湯婆婆が支配する油屋の労働構造は非常に分かりやすいカーストに分かれています。油屋 従業員 カエルとして描かれるのは下働きを担う男性スタッフ全般であり、女性従業員は「ナメクジ女」として描かれています。古来日本の三竦み(蛇はナメクジに勝ち、ナメクジは蛙に勝ち、蛙は蛇に勝つ)を思わせる構図ですが、油屋の男性労働者は総じてカエルの姿をしているのが特徴です。
そのカエル男たちの中でも、ひときわ小柄で敏捷、そして金銭への執着が剥き出しになっている個体こそが青蛙です。彼は湯婆婆の厳しい監視下で働きながらも、千尋の侵入を誰よりも早く嗅ぎつけるなど、油屋の下働きとしては極めて鋭敏な嗅覚と警戒心を持っていました。しかし、その鋭敏さゆえに、後にカオナシが仕掛けた甘い罠へ真っ先に飛び込んでしまうことになります。