蜘蛛を愛らしい「ゆるキャラ」へと昇華させる最大のカギは、全体のシルエットと脚の描き方にある。実物の蜘蛛が持つ鋭利な関節や長い足をそのまま描くと、どうしても生理的な忌避感を生んでしまう。
プロのイラストレーターは、頭部と腹部を二つの大きな「円」として捉える。脚は短く丸みを持たせ、関節の折れ曲がりを滑らかな曲線に変えることで、愛らしいバランスを生み出すのだ。さらに、大きなまんまるの瞳を2個から4個配置し、あえてアンバランスな表情を作ることで、見る人に親しみやすさを与えている。
配色も極めて重要だ。黒や茶色といったダークトーン一色ではなく、パステルパープルやミントグリーン、暖かみのあるオレンジをベースに選ぶ。差し色にピンクやイエローを加えるだけで、おどろおどろしさは一瞬で消え去り、現代的で魅力的なキャラクターへと生まれ変わる。