お寺に納める金銭は、単なる「サービスの対価」ではなく、本尊への献金や寺院の活動を支える喜捨(きしゃ)としての性格を持っています。しかし、実務上は明確な名目ごとに分類されており、そのお寺費用内訳を理解しておくことが無用なトラブルを防ぐ第一歩です。
寺院へ支払う主な名目は、以下の5点に大別されます。
- 読経料(お布施):通夜、葬儀、各法要で僧侶に読経してもらう謝礼。
- 戒名料(法名料):仏弟子としての名前(戒名・法名・法号)を授かる際の謝礼。
- お車代・御膳料:僧侶が法要場所へ出向く交通費や、法要後の会食を辞退された際のお食事代。
- 護持会費・年間管理費:寺院の境内や設備を維持管理するための年会費。
- 冥加金・寄付金:本堂の建て替えや修繕時に任意で拠出する資金。
通夜・告別式におけるお布施相場は、一般的に読経料として15万円から30万円前後が中心です。ここに戒名料が加わることで総額が変動します。戒名料相場は授かる位階(ランク)によって大きく開きがあり、最も一般的な「信士・信女(しんじ・しんにょ)」で10万円から30万円程度、一段上の「居士・大姉(こじ・だいし)」で30万円から50万円程度、「院号」が付く最高位では50万円から100万円以上となるケースも珍しくありません。
法要ごとの基準としては、故人が亡くなってから最初の大きな節目となる四十九日お布施金額が3万円から5万円程度です。同時に納骨を行う場合は、別途納骨読経料として1万円から3万円程度を包むのが通例です。その後の一周忌法要お布施や三回忌も同様に3万円から5万円が目安となります。
また、僧侶が寺院の外(斎場や自宅)へ出向く際には、移動距離に関わらず5,000円〜1万円の「お車代」、法要後の精進落としなどの席に同席しない場合は5,000円〜1万円の「御膳料」を添えるのがお車代御膳料相場の共通認識となっています。