本作の成否を決定づけたのは、妥協のないキャスティングです。現代から記憶を失った状態で戦国時代に迷い込んだシェフ・ケンを演じた玉森裕太は、繊細さと芯の強さを併せ持つ主人公を等身大かつ凛々しく体現。その包丁さばきや所作の美しさは、撮影前から徹底した調理訓練を重ねた賜物でした。
そして、圧倒的なカリスマ性と冷徹さ、時に茶目っ気を見せる織田信長役を怪演したのが及川光博です。ケンに無理難題を突きつけながらも全幅の信頼を置く信長と、それに応え続けるケンの主従関係は、視聴者を虜にする最高のバディ感を生み出しました。
さらに物語の要となったのが、ケンを献身的に支える鍛冶屋の少女・夏を演じた志田未来の存在感です。男装してケンの見習いとなり、淡い恋心を秘めながら戦乱を共に生き抜く姿は、多くの視聴者の涙を誘いました。その他にも、信長の正室・濃姫役の斉藤由貴、ケンの過去を知る謎の料理人・瑤子役の香椎由宇(パート2では佐々木希が香蓮役として登場)、さらには秀吉役のゴリや明智光秀役の稲垣吾郎など、実力派が脇を固め重厚なドラマを構築しました。