事故による直接的な打撃だけでなく、シートベルトによる強い圧迫や衝突の強い揺れ戻し(加速度ショック)は、胎児に対して様々なリスクをもたらします。なかでも最も警戒すべき病態が常位胎盤早期剥離です。
胎盤早期剥離は、通常であれば出産時に剥がれるはずの胎盤が、妊娠中に子宮壁から剥がれてしまう重篤な疾患です。胎児への酸素供給が途絶えるだけでなく、母体にとっても大量出血の危機に直結します。事故後数時間から数日遅れて発症することもあるため、以下の兆候には厳重な警戒が必要です。
【直ちに再受診すべき危険なサイン】
・持続的な下腹部痛や子宮の板状の硬さ(お腹がカチカチに張る)
・性器からの出血(茶色や少量の出血を含む)
・胎動が急に弱くなった、または感じられなくなった
・破水感(サラサラとした液体が流れ出る感覚)
事故直後の検査で異常が見られなかった場合でも、少なくとも事故後1〜2週間は激しい運動を避け、胎動の頻度や体調の変化を細かくメモに残す習慣をつけておくと安心です。